遺産相続手続きをしないとどうなる?放置するリスクと解決策まとめ
- 亀田行政書士事務所
- 2025年9月15日
- 読了時間: 13分

▶︎1. 遺産相続の手続きをしないとどうなる?

1.1 相続手続きを怠ると起こる問題とは
相続が発生すると、預貯金や不動産の名義変更、相続税の申告など、複数の手続きが必要になります。
ですが、現実には「手続きのやり方が分からない」「忙しくて後回しにしてしまった」という理由で放置してしまう人が少なくありません。
ここで問題になるのが、相続は放置しても自然に完了しないという点です。
むしろ放置すればするほど、以下のような深刻な問題が起こりやすくなります。
たとえば、こんなことが起こります。
預貯金が凍結され、引き出せない
銀行は相続が発生すると故人の口座を凍結します。相続人全員の同意がなければ払い戻しができません。
不動産の名義変更ができず、売却も貸し出しもできない
法律上、登記は義務ではありませんが、2024年4月からは「相続登記の義務化」が始まりました。 正当な理由なく3年以内に手続きをしないと、10万円以下の過料の対象になります。
借金やローンなどマイナスの財産もそのまま引き継いでしまう
相続放棄には期限があります(原則3ヶ月以内)。この期限を過ぎると、たとえ借金でも自動的に相続されてしまいます。
相続税の申告漏れで追徴課税が発生
相続税の申告は10ヶ月以内に行う必要があります。 申告が遅れると、延滞税や無申告加算税など、余計な税金が発生することに。
将来的に相続人が増えて協議がまとまりにくくなる
遺産分割協議は、相続人全員の合意が必要です。長期間放置すれば、相続人の誰かが亡くなり、さらにその相続人が登場することになり、関係者が増えて話し合いが難航します。
何もしない=何も起きない、というわけではありません。むしろ、手続きをしないことで新たな問題がどんどん増えていきます。
特に多いのが、「面倒だからあとでやろう」と先延ばしにしてしまうパターンです。
ですが、数ヶ月のうちに手続きしなければならない項目もあるため、「気づいたときには手遅れだった」という声も少なくありません。
忙しい日常の中で、葬儀やお清めの準備などに追われていると、つい法的な手続きは後回しにしがちです。
でも実際には、相続手続きは時間との勝負になる場面が多いということを、頭に入れておく必要があります。
1.2 「放置=相続完了」ではない理由
「不動産はあるけど特に使わないし」「相続税もかからないから」と考え、相続手続きを何年も放置する例は意外と多いです。
ですが、これは大きな落とし穴です。
たとえば、不動産を放置していた場合、以下のような影響が出ます。
名義変更されていない不動産は、売却・譲渡・担保設定ができない
固定資産税の請求が故人名義のままで届き続ける
空き家になっても管理責任は法定相続人が負うことになる
法改正によって、将来的に「相続登記未了不動産」への制裁が強まる可能性も
また、登記が放置されると、次世代の相続(数次相続)へと移行してしまい、協議対象者が爆発的に増えることも。
これにより、「遠縁の親戚を探し出して署名をもらう」ような複雑な状況に陥ることもあります。
さらに、相続放棄や限定承認といった「選択肢」も、3ヶ月以内という期限を過ぎると事実上選べなくなります。
このように、手続きは「やらない」で済ませられるものではなく、放置すれば確実にマイナスが積み上がっていくのです。
「何もしていない」のではなく、「何もせずに損を積み重ねている」状態になることを、しっかり理解しておきましょう。
▶︎2. 遺産相続手続きをしないリスク【財産面】

2.1 預貯金や不動産が凍結される
相続が発生すると、故人名義の預貯金や不動産は自動的に凍結されます。
金融機関は、名義人の死亡が確認された時点で口座の取引を停止します。
この結果、故人の口座からは生活費や葬儀費用を引き出すことができなくなります。
さらに、不動産に関しても相続登記をしなければ名義は故人のまま。売却や貸し出し、名義変更すらできません。
こうした状態が続くと、日常生活にも支障をきたします。
たとえば:
葬儀費用を立て替える負担が家族にのしかかる
故人の住宅に住んでいても名義変更できず、ローンや契約更新ができない
不動産を売却したくても買い手と契約が結べない
名義が変わらない限り、法律上の所有者は故人のままです。
放置すればするほど、権利関係が複雑化し、相続人の間で調整が必要になります。
一度凍結された資産をスムーズに動かすには、手続きを迅速に行うことが欠かせません。
2.2 相続登記をしないと過料の対象に
2024年4月から相続登記が義務化されました。 不動産を相続した場合、取得を知ってから3年以内に登記しないと、最大10万円の過料が科される可能性があります。
これまでは相続登記が任意だったため、「放置しても問題ない」と思われていましたが、制度が変わったことで状況は一変しました。
主な影響はこちらです。
相続人が多数いる場合、協議がまとまらず期限を過ぎるケース
相続財産の所在が分からず、登記申請の準備に時間がかかる
書類の不備や手続きの煩雑さで、手続きが進まないまま放置される
登記を怠れば、ペナルティを受けるだけでなく、不動産の売却や担保設定もできなくなります。 不動産を有効活用するためにも、早めの手続きが必要です。
また、相続登記の義務化に伴い、専門家に相談する人も増えています。早めに動くことで、不要なトラブルや出費を防ぐことができます。
2.3 株式や債権の名義変更もできない
故人が所有していた株式や債券、投資信託などの金融資産も、名義変更の手続きが必要です。
これを怠ると、相続人はその資産を運用・売却することができません。
具体的には次のような問題が起こります。
株式配当金を受け取れない
株の売却益が得られない
投資信託の運用停止、もしくは資産凍結
相続人間で名義に関するトラブルが発生する
株式は相場の変動があるため、名義変更が遅れると、売却タイミングを逃すリスクもあります。
また、証券会社によっては書類が複雑で、必要書類を揃えるのに時間がかかることも。
金融資産の名義変更も、相続の一部として早めに対応すべき重要な手続きです。
そのまま放置してしまうと、時間が経過するほど手続きが困難になり、相続人全員の同意が必要になるケースも出てきます。
▶︎3. 遺産相続手続きをしないリスク【税務・法律面】

3.1 相続税の申告漏れで追徴課税の可能性
遺産の総額が基礎控除額を超える場合、相続税の申告が必要になります。
この申告には「相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」という期限があるのをご存じでしょうか?
期限内に申告しないと、以下のようなペナルティが発生することがあります。
無申告加算税
延滞税
重加算税(悪質な場合)
たとえば、申告期限を過ぎてから発覚した場合、本来納める税額に加えて、10%〜20%程度の加算税が上乗せされる可能性があります。
税金を多く払うことになるのは、手続きを怠った結果です。
「相続税の対象じゃないと思っていた」という声もよくありますが、正確な判断には専門知識が必要です。
遺産の評価や控除額、特例制度なども関係するため、自分で判断せず早めに相談することが重要です。
3.2 相続放棄の期限切れで借金を相続することに
遺産には「プラスの財産」だけでなく、「マイナスの財産(借金や未払い金など)」も含まれます。
相続放棄を希望する場合は、家庭裁判所に申述する必要があり、その期限は3ヶ月以内と定められています。
この期限を過ぎると、原則としてすべての財産を相続したとみなされます。
つまり、知らない間に借金を引き継いでしまうこともあるのです。
よくある失敗例はこちら。
借金の存在に気づかず、放棄のタイミングを逃す
通帳や証書だけ見て「プラスの財産しかない」と思い込む
家族間で曖昧な話し合いだけで済ませ、正式な放棄を行わない
「知らなかった」では済まされないのが相続放棄の期限です。
特に、高齢の親がローンを組んでいたり、事業用の借入がある場合は要注意。
放棄するかどうかの判断は、遺産の全体像を正確に把握したうえで決める必要があります。
3.3 他の相続人とのトラブルの火種に
相続の手続きが遅れると、相続人同士のトラブルに発展するケースが少なくありません。
遺産分割協議がまとまらず、関係が悪化してしまうのです。
特に起こりやすいのはこんな場面です。
誰が何を相続するか話し合わないまま時間が経過
一部の相続人が勝手に預金を引き出す
登記されていない不動産をめぐって口論になる
感情的な対立が表面化して法的手続きに発展する
手続きをしない=他人任せにする、ということです。
実際、遺産分割協議書がない状態では不動産の名義変更もできず、家族間で「誰のものか分からない」まま放置されがちです。
こうした状態が続くと、長期化・複雑化・訴訟化といった悪循環に陥りやすくなります。
トラブルを避けるには、なるべく早めに全員が協議の場を持ち、専門家を交えて明文化された合意を形成することが大切です。
▶︎4. 遺産相続手続きを先延ばしにしやすい理由とその落とし穴
4.1 忙しさや感情的な理由で後回しにしてしまう
相続が発生すると、やらなければならないことがたくさんあります。
しかし、多くの人がつい手続きを後回しにしてしまうのは、以下のような理由があるからです。
仕事や家事で日々忙しく、時間が取れない
葬儀や法要が続き、心の整理ができていない
家族と関わること自体がストレスに感じる
「まだ心の準備ができていない」というのが本音の人も多いはずです。
ただし、手続きを遅らせることで、相続税の申告期限や登記の義務などがどんどん迫ってきます。
感情的な理由は理解できますが、現実の手続きは待ってくれません。
忙しい時こそ、誰かに頼れる環境を整えておくことが大切です。
初期対応だけでも専門家に依頼すれば、大きな安心感につながります。
4.2 「何をすればいいか分からない」が最大の壁
相続手続きを放置してしまう一番の原因は、「そもそも何をしたらいいか分からない」という不安です。
手続きには法律・税金・登記・金融機関など、さまざまな要素が絡みます。
以下のような疑問がよく見られます。
まず誰に連絡すればいい?
どんな書類を集めればいい?
遺産分割協議ってどう進めるの?
情報が多すぎて、逆に動けなくなるという人も多いです。
インターネットで調べても難しい用語や情報が多く、読んでもピンとこないこともあります。
結局、「また今度でいいか」となり、気づけば数ヶ月が経過していることも…。
こうした“無知による放置”は非常に危険です。早めに専門家に相談することで、今すべきことが明確になります。
4.3 放置することで複雑化しやすい理由
相続手続きを放置する最大の問題は、時間が経つほど手続きが複雑になるという点です。
たとえば、こんな事態が起こりえます。
相続人の一部が高齢になり認知症になってしまう
相続人が亡くなり、さらに新たな相続が発生する(二次相続)
相続財産の管理状況が不明になり、財産調査が困難になる
不動産が老朽化し、固定資産税の負担だけが続く
こうなると、相続人全員で協議することが難しくなり、手続き自体が停止状態に陥ることもあります。
相続の話し合いは、時間と人数が増えるほど合意形成が難しくなります。
「放置すればするほど面倒になる」という現実を、しっかり理解しておきたいですね。
今なら簡単に済む手続きも、数年後には法的な争いに発展する可能性もあります。
遺産の相続は、放っておいても解決しません。
早めの一歩が、将来の安心と家族の信頼関係を守ることにつながります。
▶︎5. 遺産相続手続きを専門家に依頼するメリット
5.1 相続サポートの専門家に依頼するメリット
遺産の相続手続きをスムーズに進めたいなら、専門家に相談することが非常に効果的です。
法律や税務、登記といった複雑な要素が絡む相続では、自己判断で動くよりもプロに頼る方が安心です。
主なメリットはこちらです。
必要な手続きを段取り良く整理してもらえる
法的リスクや申告漏れを未然に防げる
相続人間のトラブルを防ぐ第三者の立場で調整してくれる
時間と手間を大幅に削減できる(書類収集・作成など)
専門家に任せれば、慣れない手続きに悩む時間を大幅に減らせます。
たとえば、相続登記の申請書類や遺産分割協議書の作成は、個人で対応すると数週間〜1ヶ月以上かかるケースも。
専門家であれば、必要な情報を的確に集め、正確な書式で提出してくれるので、安心感が違います。
特に仕事や育児で忙しい人には、時間と精神的負担の両面でメリットが大きいといえるでしょう。
5.2 具体的なサポート内容と費用の目安
では、専門家に相談するとどんなことをしてくれるのでしょうか。
行政書士・司法書士・税理士など、依頼先によって内容は異なりますが、一般的には以下のようなサポートが受けられます。
主なサポート内容
相続関係図や戸籍謄本の取得代行
遺産分割協議書の作成
不動産の相続登記の手続き
預貯金や株式の名義変更
相続税の申告サポート(税理士)
相続放棄などの家庭裁判所提出書類作成
費用の目安(一般的な相場)
業務内容 | 費用の目安(税別) |
遺産分割協議書作成 | 約3万円〜7万円 |
相続登記手続き(1件) | 約5万円〜10万円 |
戸籍収集・関係図作成 | 約1万円〜3万円 |
相続税申告サポート(税理士) | 財産規模により異なる(数十万円〜) |
※あくまで一般的な相場であり、内容や地域により異なります。
無料相談を活用すれば、実際にかかる費用を事前に確認できます。
特に、行政書士事務所では「初回1時間無料相談」を行っているところもあり、納得したうえで依頼できます。
5.3 相談時に用意しておくとスムーズな書類一覧
専門家に相談する前に、最低限の情報を整理しておくと手続きが格段にスムーズになります。 以下のような書類を準備しておくのがおすすめです。
準備しておくと良い書類
被相続人の死亡診断書または除籍謄本
被相続人の戸籍(出生から死亡まで)
相続人全員の戸籍謄本と住民票
遺言書(あれば)
不動産の登記簿謄本、固定資産税納税通知書
預貯金・株式などの財産に関する明細
借入金やローンの契約書、未払い金の明細
これらを一度に用意するのが難しい場合でも、相談時に持参できるものだけで構いません。
専門家に相談することで、「何が不足しているか」「どうやって揃えるか」を的確にアドバイスしてもらえます。
不安な点や不明な点がある場合も、最初に聞いておけば後のトラブルを防ぐことができます。
▶︎6. まとめ:遺産相続手続きは放置しないのが鉄則
遺産の相続手続きを後回しにすることには、大きなリスクとデメリットがあります。
財産が凍結されたり、相続税の申告漏れで追徴課税を受けたり、借金を引き継いでしまったり…。
相続手続きをしないことで、かえって問題が複雑化してしまうのです。
特に注意すべき点を振り返ると、以下の通りです。
預貯金や不動産が凍結される
相続登記をしないと過料の対象になる
相続税の申告を怠ると追徴課税が発生する
借金の相続放棄には期限がある
他の相続人との関係悪化やトラブルの原因になる
相続は「放っておいてもそのうち片付く」ものではありません。
相続人の数が増えたり、感情的な対立が深まる前に、早めの行動が必要です。
不安や忙しさでなかなか一歩を踏み出せない方も、まずは無料相談を活用してみてください。
専門家に相談することで、自分が何をすべきかが明確になり、負担もグッと軽くなります。
家族の大切な財産を守るためにも、遺産の相続手続きは早め・確実に進めていきましょう。
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